at backyard

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ジョン・フルシアンテのCarvelに出てくるCarvel Cakeとは

ジョン・フルシアンテの大好きなアルバム「シャドウズ・コライド・ウィズ・ピープル」

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John Frusciante - Shadows Collide With People

ジョン・フルシアンテの大好きなアルバムに「シャドウズ・コライド・ウィズ・ピープル」というのがある。

このアルバム、ジョンのメロディメイカーとしての才能に満ち溢れた、良曲揃いのアルバムなので大好きな方は多いと思う。

このアルバムの一曲目、少し前衛的な音の重なりによるインプロヴィゼーション的な音からCarvelのイントロのギターが流れ出した瞬間、背筋がゾクッとしたのは、今でもまだ昨日のことのようにはっきりと覚えている。

最近、このCarvelというのはアメリカにあるアイスクリームのフランチャイズらしく、そこが販売しているケーキらしいことを知った。

画像はWikipediaから引用↓

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インパクトがあるっ!

画像はWikipediaから引用

Carvel (franchise) - Wikipedia

カーベルは、Focus Brands社が所有するアメリカのアイスクリーム・フランチャイズです。 カーベルは、ソフトクリームと、独特の「クランチー」の層を特徴とするアイスクリーム・ケーキで最もよく知られています。カーベルは、ソフトクリームと、独特の「クランチー」を重ねたアイスクリームケーキでよく知られており、また、様々な種類のノベルティのアイスクリームバーやアイスクリームサンドイッチも販売している。

ソフトクリームと、独特の「クランチー」の層を特徴とするアイスクリーム・ケーキで最もよく知られています と書かれている通り、アイスクリームケーキのようだ。

私はアイスクリームケーキというものを食べたことがないが、ちょっと試してみたい今日このごろである。

Carvelの歌詞の意味とは

さて、Carvel Cakeきっかけに歌詞を読んでみると、この曲はドラッグ中毒(当時、彼はヘロイン中毒だった)からの脱却を図った自身のことを歌った歌だったことを知った。

当時は歌詞なんて調べる余裕もないぐらいに若かったし、彼の作る音楽の世界に私自身は魅了されっぱなしでそんなことを調べる発想がなかったのだが、こうやって調べてみると彼が歩んできたであろう心情がそのまま吐き出されてグッと来る歌詞だ。

というわけで、微力ながらCarvelの歌詞を翻訳してみた。

John Frusciante の Carvel の日本語訳

努力してもどうにもならない
誰も見てはいない
今、たくさんのものを失った
あなたを失ってから、もう同じにはならない

私は街から出ていく
良い結果になることを願って
あなたが私の背中を押してくれるだけで
天国はあなたを受け取って、また投げ返すでしょう

私の神様に偽物を送りつけるんだ(×4)

Carvelのケーキを食べに行く
あなたが知っているどこかは
あなたが思うような場所ではない
あなたはもう立ち去ってしまったのか?

あなたは行ってしまったのか?もう既に行ってしまったのかい?
(戻ってきなよ、戻ってきなよ、戻ってきなよ)

すべての楽しい時間(注:たぶんキマっているときのこと)はその途中にあるんだ
アガったり落ちたり、それがエネルギーを震わせるんだ
アガったり落ちたり、それがエネルギーを奮い立たせてくれるんだよ
それ以外の方法はないんだ

頑張って翻訳をしてみた。

ネット上で検索をしてみると、他にもこの曲の翻訳をしている方はいるが、翻訳し終わったあとに比較してみると、結構翻訳の内容が異なっているので、本当にこれで正しいのか自信はない。

今回翻訳を行う上でジョン・フルシアンテのこの曲の解説を見てみたりしたが、歌詞にある (戻ってきなよ、戻ってきなよ、戻ってきなよ) というフレーズはドラッグ中毒時代の自分が、また彼を呼び戻そうとしている声、という解説を読んで背筋が増えた。

原曲を聴くと、この部分( come back, come back, come back, come back のところ) はジョンの特徴的なファルセット・ヴォイスで歌われる実にきれいなコーラス部分だ。

まさかそのコーラスが悪魔の囁きになっていることを想像すると、この曲の持ついつまでも続いていくような深い闇が垣間見える。

昔はメロディアスでかっこいい曲、というイメージだったが、歌詞に注目すると、またさらに違った見え方ができるので面白い。

当時ジョン・フルシアンテのソロ1,2作目あたりを聞いて、全く焦点が定まっていない意識が朦朧としきった音楽に悪い意味で衝撃を受けた(※)自分からすると、この歌詞というのはそれなりに重みを感じる。

※ある意味ではドラッグ中毒の怖さを嫌というほどに思い知ることになる作品でもある。前衛的とかアートとかではない、意図を感じないただのカオスな音だったと記憶している。

もしこのブログを読んで興味を持った方は、John Frusciante の Shadows Collide With People を聴いてみてください。1曲めがCarvelです。

ちなみにジョンのソロアルバムはApple Musicにもあるのだが、Shadows Collide With Peopleは配信されていない。

権利関係とか何かしらの事情があるのかもしれないが、名盤なだけに残念である。