Denoで利用されるimport.meta.main や import.meta.url、Deno.mainModuleについて

Deno関連のコードを読んでいたときに出てきた import.meta.main が気になったので、import.meta.url、Deno.mainModule含め調べてみた。

そもそもimport.metaとは？

import.meta 自体はECMAScriptとして定義されている機能で、importオブジェクトの metaプロパティのように思えるが、ここでの importは実際にはオブジェクトではないらしい。

ちなみに日本語でかなり詳細に説明されている記事を見つけたので貼っておく。
(ただし書かれた時期が２年以上前なので、そこのところだけ頭に入れておいたほうが良さそうです。)

そしてDenoでも import.metaを利用することができるのだが、そこで利用できるものの一つが import.meta.main ということになる。

上のページの説明を参照する限り、３種類の Denoオリジナル(?)の import.meta プロパティを利用できるよう。

import.meta.main には boolean の値が格納されており、現在のモジュールがプログラムのエントリーポイントであるかどうかを true or false で教えてくれる
import.meta.urlには現在のモジュールのURLが文字列で格納されている
Deno.mainModuleにはメインモジュールのエントリーポイントのURL、つまりDenoランタイムによって呼び出されるモジュールが文字列で格納されている(というか、最後のは import.meta関係ない気もするが、ついでに書いておく)

とりあえず下記のような他愛もないサンプルコードを作成してみた。

// main.ts
import { say } from "./sub.ts";

say();

console.log("main: ", import.meta.main);

// sub.ts
export function say(): void {
  console.log("sub: ", import.meta.main);
}

そしてこれを実行すると下記のようになる。

deno run main.ts

実行結果

sub:  false
main:  true

エントリーポイントの場合のみ true になっているのがわかる。

上のサンプルコードと全く同じで、console.logの中だけ書き換えたものを用意した。

// main.ts
import { say } from "./sub.ts";

say();

console.log("main: ", import.meta.url);

// sub.ts
export function say(): void {
  console.log("sub: ", import.meta.url);
}

同じように実行する

deno run main.ts

実行結果

sub:  file:///Users/...省略.../sub.ts
main:  file:///Users/...省略.../main.ts

ファイルが格納されているフルパスが表示された。

最後は Deno.mainModule。
同じようにサンプルコードを書き換える。

// main.ts
import { say } from "./sub.ts";

say();

console.log("main: ", Deno.mainModule);

// sub.ts
export function say(): void {
  console.log("sub: ", Deno.mainModule);
}

Deno.mainModuleを利用する際には --allow-read をつけないとエラーになるようだったので下記のようにして実行。

deno run --allow-read main.ts

実行結果は下記の通り

sub:  file:///Users/...省略.../main.ts
main:  file:///Users/...省略.../main.ts

メインモジュールのフルパスが表示された。
上に書いた概要にも書いたが、メインモジュールのエントリーポイントのURLが表示される。